2021年1月7日木曜日

武士の恋

 昨年と先日に時代物の小説を三冊読んだ。

その中の主人公の武士が揃って恋心を打ち明けられないでいる。
昔の男性は皆こんなふうだったのかしら?

「散り椿」と「辛夷の花」は作者が同じだが先に読んだ「せき超えぬ」は作者が別だ。共通点はどの著者も女性であると言うこと。
剣の道においてはどの主人公もめっぽう強いが恋の道ではじれったいほどはかどらない。
打ち明けるのか、いつしか恋仲に発展するのかと期待をしても男の心を打ち明けようとしない。小説の中だけなのかそれともこの時代では女性にうちあけるのを良しとしないのか、現在の男女とは全く違う。

 しかし、恋はしないのかというと和歌に託してみたり、それとなく世間話をしてみたりするのだが・・・

そんなだから物語の終りはどれも二人が結ばれたとは書いていない。奥行きのある結末である。
読み終えて好きな二人が何時か結ばれることを期待しながら本を閉じる。

また、情景の描写が美しいのも共通するところだ。会話の中の話言葉もやんわりとして好きだ。
命がけの攻防が展開される場面もあるが何処を取っても表現にたおやかさが感じられるのは筆者の力量なのだろう。

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