2021年7月31日土曜日

寺本航と対峙する

 中学時代いじめにあって登校拒否になりそのまま引きこもりを7年間も続けている翔太の為に父の正樹はいじめた生徒を探し出し、裁判を起こすことを決意する。

いじめた3人の名前と二人の消息はわかったが寺本航の行方が分からず、小学校時代から仲の良かった堀内君にその消息を聞き、「NOTE」と言うバーに彼を訪ねる。

注文した二杯目のグラスを空にして気持ちに余裕が出てきていよいよ本題に。

しばらく休んでいた筋道はここまででした。

「違っていたらごめん。君は……寺本航くんだね」と口を切る。

「」の台詞は本文のまま。文中の……が好感度の高いこの青年が翔太を引きこもりになる程のいじめをしたのだろうか、しかしここで引き返すことはできないと躊躇する正樹の心情が伝わって来る。文章の力ってすごいなと読みながら感心した。

青年は自分の名前を聞かされ、思わず目を大きくして「正解」と告げる。

「僕は大澤翔太の父親です」と明かす。覚えているかと聞かれこわばった顔でうなずく。

正樹は君たちにいじめられたせいで七年間も引きこもっている事、この七年間を取り戻すために裁判を起こすことにした、と伝える。

このことを聞いて相手はおびえるか、ふざけるなと怒鳴り散らすかと言う場面を想像していたが、寺本はそのどちらでもなかった。
静かな表情に諦念のような表情。正樹は肩透かしを食ったような気分になる。

「大澤さん、僕は逃げも隠れもしません。住まいはここの二階です。携帯番号もお教えしますが今日のところはお帰りいただけますか」その時カップル客が入って来て救いを得たというように寺本の顔がいっきに晴れやかな表情になった。
正樹は「お勘定」とだけ告げ店を後にする。


2021年7月27日火曜日

第36回国民文化祭

今年の国民文化祭は和歌山県で開催される。昨年は宮崎県であった。
「川柳の祭典」は有田市で開催される。私たちの日高番傘も参加しようとの声があり、せっかく和歌山県の開催年だし、次の機会はず~っと先だから投句しようと言う事になった。

7月31日が募集締め切り日である。題は 荒い パンダ 揃う みかんの4題を各2句。
それをやっと投句した。うまくは出来てないがヤレヤレです。勿論参加は自由ですが、せっかくの機会です。11月14日が開催日です。この投句とは別に会場に足を運んだ人は当日投句があり、遅れる 手紙 鯨で当日投句することになっている。

全国から応募されどんな句が選ばれるのか楽しみです。
私も拙い句を応募して誘われるままに当日も参加します。

句を作らねばと思うばかりでなかなかできなくて、気になりながら〆切日が迫って、やっと昨日投函しました。ホッとしてます。

また、「小説8050」もおいおいに紹介したいと思います。

急に猛烈な暑さの日が続きます。家から出るには「えいやっ」って掛け声かけないと出る気がしません。水分補給を忘れずにしましょうね。

2021年7月19日月曜日

用務員が味方

中学校の当時の用務員が裁判で証言をしてくれることが正樹にとってどんなに勇気づけられたか、さっそく弁護士の高井に連絡する。高井の声も弾んでいる。

いじめた3人の内、金井利久斗は親の後を継ぐべく医大の3年生、 佐藤耀一は国立大の経済学部3年生、そして寺本航の消息だけがわからない、母親でさえ知らないと言う。わかった事は高等部を卒業していないと言う事、まさか中退?そのことをまた正樹が調べることに。

そこで、正樹は小学校からの翔太の同級生の堀内君に長い手紙を書く。

いよいよ本格的に裁判を起こすこと、いじめた3人の名はわかったが寺本航の消息がつかめない、もし知っていたら教えて欲しい、力を貸してほしい。と

やがて返事が来る、「大澤君をいじめたのはこの3人だけだったのか、クラス全体が加担しているようなものでは?寺本君は『NOTE』と言うバーに勤めている。これ以上の事は知らないし、裁判に協力はできない、もう連絡しないでほしい」と言うものだった。

早速[NOTE」を訪ねる。店に入ると整った顔立ちの青年が笑顔で迎えてくれる。
正樹は心を落ち着かせるためウイスキーを注文する。
「同じのをもう一杯」少し落ち着いたところでいよいよ本題に。


(いじめはクラス全体が加担しているようなもの)と堀内君は返事をよこしたがまさにその通りである。知って知らぬふりをするのも同じくいじめに加担している。というのだがなかなか止めに入ったり、先生などに連絡するは勇気が出ず、関わりたくない気持ちが働くのだろう。
私も同じく知らぬふりをする加担者にきっとなっていただろう。 また、正樹はいじめた3人がそれぞれ順調に大学生だったり、社会人だったりだが、わが子はその間中学時代の忌まわしい思い出と共に7年間も引きこもっていることを思えば胸中悔しさが渦巻いていることだろう。


2021年7月16日金曜日

一週間ぶりです

あれもこれも出来てない~~!って追い詰められそうになってました。

雨の後の雑草の伸びるスピードに追い付けません。少し前に抜いた草が物置へ行くたった2~3メートルもサンダルでなく長靴をはきたくなるくらいの伸びようです。
そこをやっと取って、まだまだできてなかった川柳もしなくては。あ、サロンもある、教養講座の会議もある。なにより2回目のワクチン接種は済ましてヤレヤレです。

ゆうべ遅くまでかかって今月の川柳をやっと作り終え、今日はぼんやり過ごせました。

ぼんやり過ごす日も確かに必要です。すこし気持ちもゆったりしてます。

草取りは早起きして一時間半位3日続けてとてもしんどかったです。
隣の空き地の草取りは同じ姿勢でいると堪えます。

草殺しを初めて使ってみることに。2リットルというのを買ってきたがそんな量ではとてもとてもです。

でも撒いたところの草が黄色くなってきています。後はもっとたくさん買うかまた手で抜くかです。(根まで枯らす)って書いてたのでしばらく生えてこないのならうれしいけど。

裏の草なども日に干して軽くしてゴミ袋に二つ出来ました。少しだけすっきりです。
 

2021年7月10日土曜日

やっとおとなに

 ツバメの巣が空になって夜には帰って来るかと待っていたが帰らず。
きっと他の兄弟ツバメと合流してスイスイと飛廻っているのでしょう。

少しさみしい。新聞紙を敷いてた糞受けももう要らないかもしれない。
雛が大きくなるにつれ糞も大きくなってちょっとめんどくさいと思ったのももう思い出か…

大人になるって子どもの頃は早くなりたかったけど、子ども時代の思い出ってしっかり覚えていて校庭でドッジボールをしたり、冬には縄跳びが流行り、その時の校庭の土のにおいや縄跳びの掛け声までも鮮明に蘇る。
それに比べて大人になっての思い出はそれほど多くない。きっと日々が忙しく思い出を脳裏に焼き付ける暇がなかったのでしょう。すこしせつない。
やっぱり子供時代の楽しい思い出は貴重ですね。

高齢になっての思い出はどうかしら?良い思い出がたくさん作れるといいですね。

そう言えば今日、後期高齢者用の健康保険証が届きました。
誕生日から一年間ですって。小さく小さく負担金1割って書いてました。ここだけちょっと嬉しい。
押しも押されぬ後期高齢者。良い思い出をたくさん作っておみやげ話を持って行きたいです。
どこへって?もちろん あ の 世 です。

正樹、行動する

非常に非協力的な中学校をあとにする二人。次の行動に移る。
いじめで翔太はズボンを脱がされ、その写真を他の同級生に送り、事もあろうか近くの同世代の女生徒にも送ったという事を小学校からの同級生堀内君から聞いている。そして又ゴミの焼却炉に閉じ込められて用務員に助けられたことも。

この時の用務員 、そして写真を送られた女子高の女の子、それを教えてくれた堀内君にもう一度聞く事が正樹の仕事になった。

用務員を探すために正樹は中学校に電話をかけるが事務員らしき女性はただ「わかりません」を繰り返すばかり。校長室でしぶしぶ教えてくれた「益田」という用務員の名前だけが手掛かり。かくなる上は翔太に聞くだけ。

正樹は翔太のドアに問いかける。彼は問いかけに「じいさんだった。 すごくいいじいさんだった」と言う事だけ。
再び中学校の近くの数軒並んだ店を訪ねる。中華料理屋では、何年か前に退職したが、引っ越した先の住所と名前が描かれたはがきを見せてくれた事が大きな収穫。


早速訪ねてみる。人柄のいい益田は焼却炉の事件は翔太だけではなかった事を話す。
当時の翔太の写真を見ながら、これだけの恐怖に陥れた事を学校へは報告したが警察への通報もなかったらしい。それでもいじめはなかったと言い張る校長や教師を心から憎いと思う正樹であった。

しかし、裁判での証言を頼むと妻の反対もあり渋ったが正樹の必死の思いと自身の癌の転移がわかり余命のあるうち出来るだけ早くと言って証言を約束してくれたのだ。

巣立ち

 すっかり大人っぽくなったツバメの子どもたち。
ウォーミングアップのつもりか翼を広げて羽ばたく真似をしていた。のが3日前、

いつの間にか2羽が巣から飛び出した。残った2羽は広くなった巣の中に。
それでも夜になると戻って来て4羽が仲良く並んでいる。
2日経った昨日も残りの2羽が肩を並べて親鳥のエサを待っている様子、トレーニングをしている様子も見かけない。
取り残されたのが1羽なら何とかしてみんなの所へ飛びたいと思うのだろうが2羽いるとお互い慰め合って「まあええか慌てなくても」なんて思っているのだろうか。
つい話しかける、「あんたら何時までそこにいるのよ、他の子は空を飛んでるんやで」って。

今朝見ると巣は空っぽ、朝のうちに巣立ちを遂げたのだろう。
やはり時期が来るのを待っていたのですね。親鳥もそれを知って根気よくエサを運び続けて。私のせっかちが恥ずかしい気分です。 

初めて大空(とまでは行かないだろうが)を飛んだらうれしいやろうな、電線にとまって広い景色を眺めた時の感動はどんなだろうと想像する。今夜は巣に帰って来るのかしら?

やがて他のツバメたちと一緒に集団生活をするという。
うれしさとちょっぴり淋しさを味わった今朝の出来事でした。

2021年7月6日火曜日

ツバメの成長

ここ数日のツバメたちの成長ぶりは目を見張るものがある。
やっと頭に黒い羽毛が生えてきたと思ったら、 立派になってきた。

黒い頭に白い胸元、首の回りに茶色い縁取り、巣の縁に乗ったりして、すっかり大人のような様子。時々は翼を広げたりしている。
けど、親に大きな口にエサを入れてくれるのを待っているのはまだまだ子供、「嘴が黄色い」って言う事があるでしょう。見た目は大人でもまだまだ子どもっぽいと言うときに。
まさにその通りなの。順調な成長ぶりを見るのは楽しみです。

この分だと巣立ちも間もなくですね。
兄弟の中にも成長の遅い早い、体格の違いもあって巣から一歩を飛び立つのもすんなり行く子や、じれったいほどいじいじしてる子がいつの時もある。

最後の子が巣から離れた時はこちらもよかった!って思わず叫んだり。

もうすぐですよ。

いざ!

 突然、高井の口調がガラッと変わる。
「おい!聞いてんのか!このままずっと閉じこもる気か。お前が行動しなきゃ始まらないんだ。降りてこい!わかったか、俺は下で待っている」

まさかと思ったが翔太が降りて来たのだった。
「やあ、翔太君はじめまして弁護士の高井と申します」と翔太に名刺を手渡した。
「これから君と、君のお父さんと僕との三人でチームを組むんだ。よろしく」
じっと高井を見つめる翔太に、「チームとしての最初の仕事は僕と君のお父さんと一緒に学校に行く。そのためにも君をいじめた三人の名前を教えてくれ、ここで言えとは言わない、返事をくれ」続けて「君がこのまま黙ってしまったらそれきりだ。君が君を味方にしないと他に誰もいないんだよ」

その夜、正樹は高井から三人の名をメールで受け取る。

その名は寺本航(てらもとわたる)佐藤耀一(さとうよういち)金井利久斗(かないりくと)。

少年だった彼らはもう青年になっている。自分の息子は7年間閉じこもったまま・・・

早速中学校に向かう。校長と担任だった半田、もう一人は教科主任と言う。

案の定「七年も前の事ですので当時の記録を探し出して調査を致しましたがいじめの事実は見当りませんでした」

高井は翔太の診断書を見せPTSDとわかったと引きさがらない。

問答が続くそして「この三人を訴える事にする」当時の同級生にはこちらから当たります。
彼らに責任をととってもらうのは当然です。と言い放つ。

小気味いい台詞が続く私は読みながら気持ちが高ぶってきた。もっともっと先を詠みたい気分になった。

2021年7月4日日曜日

新しい弁護士

 節子の友人の奈津子の紹介で新しい弁護士の事務所に夫婦で訪れた。
学校でのいじめに対して法律によって立ち向かっていくちょっと風変わりな弁護士だと聞いていた。
奈津子の息子とこの弁護士の弟が同級生で学生時代に弟は奈津子の家で何かと世話になってたと言う。

この弁護士の名を高井守と言う。

彼も弟と同じレベルの低い高校卒で同級生で大学に行った者はほとんどいないらしい。
そんなわけで本人いわく「ひょんなことから弁護士になって、同級生などから離婚だ、やれ車ぶつけた、会社つぶれたと言ってすごく重宝されている」らしい。

勿論いじめの問題もすごく多いらしい。

前の弁護士と違って「必ずしも、勝つ必要はない」と思いがけない言葉。

「負けてもそれで終わりじゃない。子どもさんは親が自分の為に闘ってくれたと思うととても心強い気分になり、自分がいけないんじゃなくていじめた奴らが悪いんだと世間にいうことができた、これで充分なんです」

とにかく会いましょう。節子はこの間の大暴れのようにならないか心配するが、とにかく会う事に。
ドアの前で高井は翔太に語りかける。何の気配も感じられない。


2021年7月2日金曜日

あっちもこっちも赤ちゃん

上野動物園で産まれた双子のパンダの赤ちゃんが紹介されている。

まだまだパンダらしくないが肩のあたりに黒い毛が生えているのが見える。

一方うちのツバメの赤ちゃん、今は4羽になったが元気に育っている。

こちらも灰色の地肌に頭の部分しか見えないが黒い羽毛がうっすらと生えてきた。何となくツバメらしくなっている。そして親鳥が来た時のさえずりは、それはそれは賑やか。我も我もと大きな口を開けて、餌をねだる。一日中続く。

巣立ちまで元気に育ってほしいね。 

ピッタリの弁護士

 せっかく掴んだ希望の光をあっけなくくじかれて、正樹は意気消沈、妻の節子ともうまくいかなくなっている。
そんな中、節子は小野奈津子にラインをする。

勤めていた時の同僚で上司の葬式で再会した友達、彼女も仏壇店に嫁ぎ何不自由ないと見えるが実は息子の悩みを抱えていた。
そんな事もあり二人はお互いに悩みを打ち明けラインする仲になっていた。

節子は正樹とケンカしたもののいつまでも食事を作らないというわけにもいかず、食後の皿を洗っていた。その時、奈津子からの電話が!

「いい弁護士さんがいる!」と言う。かなりの熱血弁護士でいじめられた子に替わって学校に乗りこんでいく事もあるとか。

「お宅にぴったりの弁護士さん」このことを節子は夫に伝えなかった。とは言うのは翔太が7年前、登校拒否が始まって以来夫婦はこのことでいさかいが続く。

「こうなったのは、お前のせい」と言われこの前の大暴れのときも「お前の責任だ」という心ない言葉に節子は怒りと混乱の中にいたから・・・

節子は娘の由依と会う事に。自宅ではなくレストランで。

気になる娘と野口のその後の状況を聞く。
二人の仲はいいが両親は予想通り大反対らしい、無理もない。

そして翔太の裁判をおこすと言う事を聞いて、由依は何を今更、7年も前の事を出来るはずがない。とにかく施設へ入れる事を力説する。

節子は思わず「あきらめてはいけない。お父さんも私も!」この時節子はあの風変わりな弁護士の事を夫に話そうと決心したのだ。


2021年7月1日木曜日

弁護士と

正樹の心は固まったものの妻の節子は大反対!
「過去の辛いことから逃げ出せなくなるより、今は医者の治療を受けた方が…」
正樹は親しい歯科医に相談し、紹介してもらった少年事件に詳しいという弁護士をたずねる。
七年前に息子をいじめた同級生を訴えることが出来るのでしょうか?という問いに前例があることを告げられ正樹は勢いづく。
が弁護士は「今まで七年もお子さんを何もせずにほっておいた」というが、正樹は「登校拒否になって何度も中学校へ行きいじめはなかった というばかり」でその後引きこもりになっても必死になって手を尽くしたことを訴える。とにかくいじめの証拠がいるという。

翔太にまたドア越しに「長くかかるが七年経っていてもいじめた連中に損害賠償出来るんだ。だから、お前もその連中の名前を言わねば何も始まらない」するとドアの向こうで「夜」と言う小さな声がきこえた。正樹と翔太は夜、居間であうことを約束する。

二人で向き合う。正樹は翔太を世の中に戻すために使う積りの金を裁判費用に充てるつもりだ」と「お前に人生を狂わせた奴らを探し出して裁判にかける。父として自分も人生をかける!お前も本気になれ!」息子は少したじろぐ。「お前が本気になれなかったら・・・
父さんと死のう」
ガラスを割り椅子を振り上げ荒れ狂う息子をこの世に残してはおけない」と決心したが、反応の鈍い息子に苛立ちながらも必ず返事をするように告げる。

妻の節子は裁判に大反対。世間の噂になり娘の由依の事がどうなるか・・・
もう、由依の事は野口とその母親にすべてをみられもう隠すことはなにもない。
尚も反対する節子に「専業主婦でいながら何もしなかった、母親として失格」と言うと「何もかも私のせいにして」とこれまでにも何度かあった夫婦のいさかいが思い出されて節子は顔色を変える。
一方正樹にも昔の光景がまざまざとよみがえる。

あれ以来節子は口もきかず食事も作らなくなり、コンビニ弁当で凌ぐ日が続く、もちろん翔太にも正樹が買ってきたコンビニ弁当が。

何の連絡もなかった弁護士から手紙が来た。内容は学校へ質問の通知書を出したがいじめはないとのこと。そういった事実は認められないとの返事が来て、裁判はやっぱり無理だとの報告だ。
「だが、父さんは諦めない裁判をちゃんとしてみせる!また明日も来るからな」ドアの向こうの息子に告げる。