お久しぶりです。
読みかけの「破戒」だいぶん読み進んで来ました。
既にご存知の方には無用ですが、簡単なあらすじです。
主人公、瀬川 丑松は小学校教師であるが、「穢多」ということを隠している。しかし、同じ出身の「猪子蓮太郎」という思想家の書物に影響され、その素生を隠し続けることが苦しくなって思い悩む。ある宿直の夜、遠く離れた父の声を聞く、奇しくも人里離れた牧場で牧夫として働く父が急死したとの知らせ。突然の訃報に彼は故郷に戻り、父の臨終の言葉が「忘れるな」であったことを聞かされる。父もまた丑松のことが気がかりで身分を知られないように牧夫として世間の目を避けるように生きてきたのだ。父の戒めの言葉はただ「隠せ」。
しかし、丑松は遭遇した蓮太郎にだけは打ち明けたいと思うようになった。打ち明けられぬまま故郷を後にして下宿に戻った丑松はますますふさぎ込むようになる。
どこからともなく、小学校の教師の中に「新平民」がいるという噂が立ち、追及の手が伸びてくる。彼は平静を装いながらも最早隠しようのない恐れと絶えず誰かにつけ狙われているような気持ちがして自分が自分でないような有様。
代議士選挙の応援演説をした蓮太郎が聴衆の高い賛同を得る。
新平民とはいえ、彼の人柄や演説の内容など称賛されるのだ。
しかし、、その直後暴漢により 蓮太郎は命を奪われる。
丑松は打ち明けられずにいたことをひどく悔やむ。
今ここです。物語の展開ももちろん気になりますが、その言葉の一つひとつが美しいのです。
故郷の千曲川の情景、ましてや貧困の中でたびたび出てくる「零落」という言葉さえも「落ちぶれ果てて」 というよりどこか優しさが漂う気がします。日本語の美しさ、語彙の深さに改めて感動です。
現在では不適切と受け取られる表現もあるかも知れませんが、そのままの形で表示します。
0 件のコメント:
コメントを投稿