孫と一日過ごす日、なつやすみはバアバの需要が増える。
本やに付き合う。友達にプレゼントするのだという。
マンガ雑誌を買った。
ふと見ると芥川賞の「火花」が平積みされていた。
わたしに「買って!」と訴えている。
私、本やに行くと、なぜか気持ちが昂る。図書館で本に囲まれた時の高揚感とは別物だ。
しかし、TVで見る有名書店の受賞作品や売れ筋の本の“見せ方”とは雲泥の差、まるで地味な扱いだ。
並べ方一つで売り上げが左右されるという競争の世界とはかけ離れて、ひとのこと言えないが地方ではそれだけ書物が売れないというのだろうか。
だけど「今でしょ!心のビタミンは」なんて心の声に反応するがごとく買ってしまった。
書き出しは熱海湾で開催される花火大会の夜、ベニヤ板の仮舞台で売れない芸人の漫才。人波はそんな彼らの掛合いを聞くことはなく、関心は今まさに始まろうとしている花火と和太鼓の腹に響く音ばかり。
しかし、その掛け合いは読者の耳にはっきりと届いている。
「飼っているセキセイインコに言われたら嫌な言葉はなんや?」
相方はインコになり変わって「ちょっとずつでも年金払っときや」
「悔しくないんか?」 など並べ立てるというもの。
その「悔しくないんか?」が胸にグサッとくる。
今のままで終わりたくない、こんな自分は仮の姿、今に見ていろ!と思いながら悔しくとも現実から抜け出せないまま生活している多くの人の葛藤の想いを問われている言葉ではなかろうか。
おっと!これから先を読むと時間を忘れそうになるので後のお楽しみにとっておこう。
何しろ夏休み中はバアバの出番ちょっと多くなるみたいだから。
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