2015年9月8日火曜日

火花 その9

スパークスの引退漫才に笑いながらすすり泣く観客たちとともに育てられ中学時代からの相方が自分を漫才師にしてくれ同じ舞台を踏んだ後輩たちと一緒に成長できたことを思い出しながら最後の最後にじぶんの理想と思う漫才をやれた事に自分の人生を得たと感じる徳永であった。
神谷も褒めてくれたのがうれしかった。

伝記のノートは20冊を超えていた。
ある日神谷の相方大林から神谷と連絡が取れなく仕事にも来ないと連絡が入る。借金が膨大な額になっているらしい。

一年が過ぎた。徳永は不動産屋で働き接客で芸人をやっていたことが役立っている。
 ある日、神谷から連絡があった。久しぶりの神谷は精悍に見えたが何か違和感が・・・
相方の大林はそんな神谷のことを関係者に頭を下げて回り、事務所に籍を残したまま待ち続けてくれていた。ここにも相方は彼だけという深い絆のコンビがいた。

やはり借金が原因の逃避行、しかし「借金は怖いで~」とこの期に及んでも楽しそうに話す。そして、違和感が判明、彼はFカップの巨乳になっていた。徳永は狂っているのではと思ってしまう。
しかし神谷の巨乳は時として「面白い」より許されない差別感を生みだすということに気が付き後悔にむせび泣く。

正月休みに徳永は神谷を熱海に誘う。
 夏だけでなく冬も花火大会がある。
スポンサー付き花火の合間に「ちえちゃん いつもありがとう、結婚しよう」 のメッセージと共に打ち上げられた地味な花火に観客は祝福の拍手を送り続ける。「これが人間やで」と神谷がつぶやく。

神谷は「熱海お笑い大会」のポスターを見つけて出場すると言い出す。
「おい、とんでもない漫才おもいついたぞ」と露天風呂から叫んでいる。全身全霊で、生きている限り続きをやる神谷の存在を徳永はノートに書き留めるのであった 。

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