雨と風の一日でしたが今日は風向きも変わって晴れやかになりました。
先日植えた花苗は強風で少し元気がありませんが又すぐ立ち直るでしょう。
本格的な春はすぐそこですね。今年の冬は特別に寒かったので春と聞くだけで心浮き立つ気がします。
さて、桃子さんその後です。
挙式直前のたった一人の逃避行、あの時から桃子さんを取りまく風景は一変、上野駅に降り立った時の心細さ、それでいながら何とも言えない解放感。しかしもう戻れないその日から住み込みであれば仕事は何でも良かった。蕎麦屋で働いた、心配していた言葉にもすぐ馴染めた夢中だった。若さが何とかなると後押ししてくれた。何軒か仕事先を替えた。
ある時故郷の八角山の夢を見た。ばっちゃまが朝晩手を合わせていた信仰の山。
故郷にいる時は好きじゃなかった八角山が夢から覚めた時から桃子さんの心にどっしりと居座った。
その頃働いていた店に来た一人の男性が大きな声で「おらは
おらは」と話す声を耳にする。屈託のない笑顔で大きな声で笑う人を好きになった。
「故郷の訛り懐かし停車場の・・・」ですよね。
ある時思い切って八角山を知っているか聞いてみた。
その人の名は「周造」という。
とびきりの笑顔で覚えてる(おべでる)八角山でば、おべでる、と言った。
しかし、周造の見上げた八角山は円錐形の山容の美しい山だという。
片や、桃子さんの八角山は鍋を伏せたような凡庸な山、つまり見る方向が違っていたのだがお互いに自分が見た山が八角山の正面だと言って譲らなかった。そして笑った。二人の仲は一気に縮まった。そしてある日周造が真顔で 決めっぺ。一言そう言ったプロポーズの一言がストンと胸に落ちた。
桃子さん良かったね、けど故郷の人達は?ってつい思う。
殊に置いてけぼりを食らった花婿になるはずの男は今ごろどうしてるんだって老婆心ならずとも同情しちゃいます。
今日はここまでです。
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