「破戒」を読み終えました。
物語の最後は丑松が自分の出生の秘密を打ち明け、新しい人生の再出発のため懐かしい信州を後にするところで終わっています。
いわれなき差別を受ける新平民の生活ぶりや父親からの戒め「隠せ」、これらの重圧を一身に受けとめて教員生活を送る丑松の苦悩が「破戒」ということで身も心もある意味解放されて毎日みている景色さえも瑞々しく感じる心の変化。
彼の前には新しい道が拓けていくような希望を抱きました。
そうであって欲しいと願わずには居られません。
しかし、この本が発表されたのは 明治39年の春です。
100年ほども昔のことです。100年後の今の私たちにはこのようなことがすべて無くなっているかといえばまだまだではないだろうか 「人より上の立場でいたい」というのが人間の性なのでしょうか。
地球上では身分制度や人種差別は今もなお生き続けています。
丑松はその後どんな人生を送ったのかテキサスはそれらの悩みから解放された新天地だったのだろうか。知りたいですよね。
重い重いテーマだったのにそこここに散りばめられた、信州の風景、例えば夕暮れ時の雲の色が刻々と変わってやがて一瞬明るくなったかと思えば次には夕闇があたりを包むとかいった描写の優しさが 私の心を慰め、休めてくれ読み進む励みになりました。
それにしてもこんな難しいテーマの本を中学か高校の頃に読んだとは私、変にませてたのか、暗かったのかですね。
そういえば、「風は柳をふいています・・・」と朔太郎なんかもかじったことあったね、確かに変な子だったかもね。
感想は一言ではお伝えできませんが少し心がつよくなる物語でした。
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