2015年8月20日木曜日

火花 その3

非凡な才能の持ち主はおりとして世間からは認めてもらいにくい。絵画にしろ、文学にしろ、音楽などその人の死後その価値が人々に理解されることが多い。
漫才という笑いの芸術の場合も例外でなく、人間関係の不器用さも相まって神谷の才能は世間的に光り輝くというには程遠い。
むしろ、若手の芸人の方が好まれて行くのである。
そのころ、神谷が活動拠点を東京に移すと連絡が来る。

徳永は一抹の不安を抱くが神谷は東京へやって来る。
いよいよ師弟関係が色濃くなっていくのだが、神谷は東京でも破天荒な生活を送ることに。
神谷の論説は難しすぎて私にはよう分らんとこも多々あるが、どこか純真で寂しがり屋の一面を持ち、滅法人恋しさが彼を包んでいるように思う。

ある日、深酔いした二人は神谷のアパートへたどり着く、「真樹さん」という優しく美しい女性がいて神谷の世話をしている。

彼女は神谷の才能を認めていて心底惚れ込んでいると徳永は感じる。しかし二人の関係は愛人関係とは違う。神谷は真樹さんに何回か「ちゃんとした彼氏 つくり」と言う。真樹さんは「わかった」
と答える。
大人の男女がいてこんな関係が存在するのだろうかと不思議だがそういうところが神谷の魅力なのであろう。     つづく


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