年次順に父、母、不二草について年表を作った高見は自分の出生ついて考える。
そうしたなかギリシャ旅行で知り合った田辺から不二草について詳しく知る人物を紹介してくれる手紙が来た。
自分が頼んでおきながら松本先生という元医師に会うのを戸惑いながらも会うことに。
松本は高見の単刀直入の質問に高齢にもかかわらず記憶をたどってくれた。
それによると不二草は頭が非常に良くまたそれ故に エキセントリック(意味を検索すると普通でない・変わり者・奇人などと出る)な傾向がある。不眠にこらえきれず睡眠薬を飲むとひどい妄想を描く。春さきが特にひどい。
その事に悩んでいた。
その妄想とは先祖に剣の達人がいて訳もなく人を斬りたくなって辻斬りをやって切腹を命じられるというのだ。
その頃不二草の自宅近くで若い女性が通り魔に殺される事件が発生、夜中もかまわずふらふら散歩に出ていた彼は警察から呼ばれる。その翌年また似たような事件が春先に・・・。又警察にいろいろ尋ねられるそのショックで妄想はさらにひどくなる。が真犯人は未だ見つかっていない。そして次の春彼はその妄想に堪えられなくなって自殺に至る。
自分が眠っている間に無意識の行動を起こしたのでは・・・と。
母とは言わず溝口明美という女性について尋ねるもはっきりした記憶はないという。溝口は高木の母の旧姓。
家族はなく独り身、いい人でもいれば彼の人生ももう少し違っていたかもしれない、と松本は残念がる。
その人に去られたのが失意の発端であったのかもしれない。
趣味についてはへそ曲がりな彼にしてはどうしてと思うほど熱烈な巨人ファンだったという。
樋笠という選手が満塁さよならホームランを打ったらしいが本当かと夜明けに電話をかけてきたほど。もっともそのおなじ夜通り魔事件があったというのだ。
不二草についての収穫は充分にあった。
丁寧に礼を言って松本家を去る。
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