望月によると巴田木米の教えは領国と日の本を、憂いたからだ。
ただものを見る目を養うていただけだが、よき知恵を取り入れるのに、古い考えに固執する上士たちが今の磐石な地位を守る唯一の方法で閉塾に至ったという。
しかし、この望月も小田原藩主の大久保忠真までも巴田木米の教えを受けていると知る。
騎市と理世との関係は夫の様子を江戸に居る巴田木米の様子を伝える為であったのだ。
モヤモヤとわだかまっていた胸のつかえが晴れた。そればかりか望月の口から騎市が武一の事を世の中の誰よりも信がおけると言っていたと聞く。自分も騎市を誰よりも信じていると答えると「互いによき友をもったな」と素っ気ないながらも声色は柔らかかった。
四日後騎市が武藤家を訪ねてきた。
騎市からの折り入っての頼み事はなんと、関所破りの手だてであった。
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