2020年5月19日火曜日

瓦州塾のこと

確かこの辺だったとおぼろげな記憶を頼りに俄かに興味を覚えて瓦州塾を訪ねるうちにやはり同じ道場に通った幼馴染に逢う。彼によると瓦州塾はもうない閉めたと言うより閉めさせられたと言う。

塾長の巴田木米は江戸でさまざまな学問を積んでこの小田原に塾を開く。
知恵の深さと豊かさが武家や町人を問わずどんどん塾生が集まって来た。
やがて蘭学から学ぶ海の向こうの諸外国の事がお上から不穏分子としてにらまれ塾生もいなくなり最後まで残った弟子のひとりが騎市であったと聞く。
閉塾の折、共についていきたいと十年も沿った懇願する妻を離縁した。
雪の中でいつまでもうずくまってる姿がかわいそうであったと話す。
何と!その塾長の妻女があの理世であったのだ。


一刻も早く確証が欲しい武一は箱根の関の目付け役の望月をたずねた。
氷目付の異名がある程の鋭い方であるが一方で存外情け深いところがあるのをこのごろ知った。
望月と騎市は同じ塾にいた事を以前聞いていたからである。


 

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