2020年5月21日木曜日

惜別

こんな困難の中でも木米と騎市のやり取りはおおらかで騎市や理世が慕うのはこの為かと思う。
武一も関越えに加担している緊張と罪の意識が薄れていった。
柵を踏み越えると関のむこう側である。


その三ヶ月後武一と同僚で巨体の晋輔は早春の山道を分け行っていた。
山中の柵の見回り役の為である。
たった三月しか経っていないといのにこうした日常に戻ると記憶が薄れ禁を犯した事さえ徐々に風化していく。

騎市は病を患い浦賀の親戚に居ることになっている。
こわれた柵があるはずのものが見当らない。
十月には傾いていたが・・・晋輔は「他の月番のものたちが修理をしたのだろう」という。
木蓮のつぼみがこずえについている。
青々とした空によく映える。
木蓮の紅は紫がかって深みがある、桜より早く咲き、奥ゆかしく春を告げる、。律儀で高潔な花と表現している。
関所に持ち帰って理世や登世も招いて花見をしようと晋輔が言う。
「木蓮は俺で騎市は梅か」とふと思う。
誰よりも早く春を兆す梅は、先進を駆けようとする騎市を思わせた。
箱根の山は城下と違ってまだ雪を抱いて森閑としていた。
 と結んでいる。

いつの日か騎市と武一、木米と理世が再会する続編があればと思うのは私だけだろうか。

端折り過ぎて内容が伝わりにくい乱文でお詫びします。
読み応えのある時代小説でした。

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