2021年6月6日日曜日

小説8050

小説8050 は林真理子の作品で「週刊新潮」2020年2月27日号~11月5日号までの連載小説が単行本化されたもので、私が読んでみたいと思ったきっかけはNHKのトーク番組で紹介されていたこと、テーマが引きこもりについてであったと言う事だった。
番組終了後すぐに書店に注文して取り寄せてもらう事にした。

そして、届いたのが堅い表紙とその分厚さに気圧され しばらく開く気がしなかった。
が、読み始めるとその堅表紙も分厚さも気にならなくなってのめり込んでしまった。

少し厚めの文庫本でさえ読み終えるには何日もかかり栞をはさんでも次読み始めるにはそれより前に戻らないと話の筋道が繋がらないので余計日にちがかかる。
今度は違った。次の展開が気になって録画しておいた好きなサスペンスドラマよりこっちの方が気にかかる。
最近は小さな活字にも苦労するが、それより先に進みたい気が強かった。

物語を少し紹介しよう。

6つの章に分かれていて第一章はじまり から、苦悩、決起、再会、再生、裁判となっている。

ひなびた歯医者の治療台で抜歯をした患者と歯科医の大澤正樹の会話から始まる。
麻酔がまだ抜けきっていないため発音がはっきりしないまま正樹と会話する。

「先生とこのお坊ちゃん、今年成人式だったんじゃない」
「いやうちの息子は、もう済んでます」
「あら、そう。もうそんなになるのね…」
探るような目が動くのを正樹は見逃さない。

おそらく、正樹の下の子ども翔太のことは知っているが、さりげなく確認しようとしているのだ。
「二十歳過ぎてても、何やってんだか。フリーターってやつですよ」
「フリーターって、この頃多いらしいわね。テレビでも言ってた」
「まったく困ったもんですよ。それじゃ、又火曜日に」
正樹はおしゃべり好きのこの女をそう言って、うまく診察室から追い出した。

というところから物語は始まる。

こんな人ってどこにでもいますよね。
さりげない振りをしてこちらがあまり触れて欲しくないことを聞きだそうとする人が。


でも、私も知りたい、聞きたい。物語のなかに吸いこまれて行く。

今日はこの辺で・・・


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