テーブルをひっくり返し、振り上げた椅子で母親の節子にまで怪我をさせた息子の翔太。
「復讐だ!」という言葉を残し再び自室に引きこもる。
医者へ行けばという正樹の言葉に息子が暴力をふるったなんて言えない。という。
多くの本にこうして家庭での暴力は隠ぺいされていくらしいとあった。
復讐したい相手は自分たちではなく同級生の誰かだ。きっといじめられていたんだ。
だがどうやって…?
翔太の友だちは?小学校の頃の仲よしでおなじ中学に進んだ堀内君がいる。
当時も何か知っていたら教えて欲しいと言うが、母親が同席ではクラスも違うし、よくわからないと言った
七年経った今堀内君は大学の三年生だ。古い名簿を頼りに電話をかけてみる。堀内君は不在で彼の母親は不機嫌ながら息子に連絡するように伝えますと言ってくれた。
果たして堀内君が電話をくれた。そして会う事を約束してくれた。正樹はどれほど喜んだことか。
「ご無沙汰しています」ときちんと挨拶する彼と先日、椅子を振り下ろした息子と同い歳と思うと冷静に見られない思いの正樹。
「あの、翔太君、元気ですか」「元気すぎて暴れてる」彼には本当のことを打ち明ける。
「この間までおとなしく引きこもっていたが本気で外に連れ出そうとしたら、突然暴れ出した」
そして「復讐したいだけだと。あの時は君はクラスが違うからよくわからないと言ったけどどんな小さなことでもいいから教えてくれないか、君だけが頼りなんだ」
「翔太君、かわいそうでした」やっぱりいじめはあったのだ。
「昼休みにいつも蹴られたり首を絞められたり・・・でも翔太君こんなこと言ってはいけないけど笑ってた」
笑ってた?信じられない言葉に「翔太君、ミエを張っていたんだと思う。いじめられてるんじゃなくてふざけているだけなんだと、回りに思わせようと一生懸命でした」
そして彼の口から数々の凄まじいいじめの実態が。
・・・・・・・・続く
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